花縁~契約妻は傲慢御曹司に求愛される~
「贈ったものを脱がせるのは最高の気分だな」


艶やかな微笑みを浮かべながら、満足そうにつぶやく。

私の体を起こし、向き合うように膝の上に乗せて胸を再び唇で愛撫する。

熱い息を吐く私の頬を手の甲で撫で、胸元周辺に幾つもの赤い花を咲かせていく。

まるで甘やかすような行為に、勘違いをしそうになる。

私を抱くのは後継者が必要だからで、愛情は伴っていない。

わかっているのに、覚悟したのに、こみ上げる想いと快感に涙が滲む。

深いキスとともに下着越しに敏感な場所に触れられる。

思わず逃げを打とうとしたが、後頭部を引き寄せられて身動きができない。

静かな部屋に響き渡る水音に体の芯が熱くなっていく。

手際よく下着を脱がされ、彼も一糸まとわぬ姿になる。

もう一度仰向けにされて、膝、太ももの内側に唇で触れられる。

長い時間をかけて触れられた体は熱を持ち、敏感になっていてすぐに反応してしまう。

自身の前髪を気だるげに長い指でかき上げる仕草に、鼓動がひとつ大きな音を立てた。

何気ない動作のひとつひとつに色香が溢れ、むせ返りそうになる。

しなやかな指が秘めた場所に触れ、自分のものとは思えない甘い声が出る。

恥ずかしさに力の入らない指で口元を覆うと、依玖さんに阻止された。
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