花縁~契約妻は傲慢御曹司に求愛される~
地下駐車場で降車するまでの間、目に映った景色はまさに別世界のようだった。
都内の一等地にそびえたつ十五階建ての真っ白な外観のマンションの広々としたエントランス、可憐な花々を咲かせる手入れの行き届いた植栽は、周辺の高級マンション類の中でも目を引く。
鍵をもっていないとエレベーターを呼べないという万全のセキュリティにも驚いて視線を彷徨わせてしまう。
しかも、最上階のフロアすべてが彼の部屋だった。
「入って」
エレベーターから少し離れた場所にある玄関ドアを開けた彼に促され、恐る恐る室内に足を踏み入れる。
「お邪魔します」
「今日からは逢花の家だ。遠慮はいらない」
そう言って、私の後から入ってきた彼がドアに鍵をかける。
広い玄関の床はピカピカに磨き上げられ真っ白で、すぐそばには大きめのシューズインクローゼットがあった。
真っ白なフローリングの長い廊下を進む彼に手を引かれる。
彼の肩越しに見えたリビングルームは二十畳以上の広さがあり、ブラインドを上げた大きなガラス窓からは煌めく夜景が見えた。
リビングに置かれたソファやテレビボードも上質さがうかがえるものばかりだった。
「逢花の部屋はこっちだ。荷物はすでに運んでいる」
私の部屋の右隣が寝室で最奥が彼の仕事部屋だという。
寝室という単語に無意識に肩が揺れた私の胸中を見透かしたように、眠る場所は一緒だと再度低い声で告げられた。
都内の一等地にそびえたつ十五階建ての真っ白な外観のマンションの広々としたエントランス、可憐な花々を咲かせる手入れの行き届いた植栽は、周辺の高級マンション類の中でも目を引く。
鍵をもっていないとエレベーターを呼べないという万全のセキュリティにも驚いて視線を彷徨わせてしまう。
しかも、最上階のフロアすべてが彼の部屋だった。
「入って」
エレベーターから少し離れた場所にある玄関ドアを開けた彼に促され、恐る恐る室内に足を踏み入れる。
「お邪魔します」
「今日からは逢花の家だ。遠慮はいらない」
そう言って、私の後から入ってきた彼がドアに鍵をかける。
広い玄関の床はピカピカに磨き上げられ真っ白で、すぐそばには大きめのシューズインクローゼットがあった。
真っ白なフローリングの長い廊下を進む彼に手を引かれる。
彼の肩越しに見えたリビングルームは二十畳以上の広さがあり、ブラインドを上げた大きなガラス窓からは煌めく夜景が見えた。
リビングに置かれたソファやテレビボードも上質さがうかがえるものばかりだった。
「逢花の部屋はこっちだ。荷物はすでに運んでいる」
私の部屋の右隣が寝室で最奥が彼の仕事部屋だという。
寝室という単語に無意識に肩が揺れた私の胸中を見透かしたように、眠る場所は一緒だと再度低い声で告げられた。