別れさせ屋に依頼をした私の結末
恐る恐る目を向けた瞬間、私は息をのんだ。
夕陽に照らされて赤みを帯びたプラチナブロンドの髪。影で暗くてはっきり見えないけれど、それでもわかる端正な顔立ち。
退屈そうにだらけた姿勢で腰かけているけれど、スリムで足の長いその体はまるでモデルのようだった。
「……おはよう、ございます」
思わず見とれてしまった私の中から、怖いという感情が薄れていく。
言葉を返すと、彼はフッと笑みをこぼし、自分の口元に人差し指を当てた。
「よだれ」
「えっ!?」
指摘され、慌てて口を覆うと、言葉通り、手のひらはべったり濡れてしまった。
恥ずかしさで顔が熱くなる。
「すみません」
急いでリュックからポケットティッシュを出し、手と口を拭いていると、その様子を黙ってみていた彼が口を開く。