別れさせ屋に依頼をした私の結末
「そう思ってたのは私だけ?」

ついていたというウソについて、詳しく聞いていないけれど。

裏切っていたと言われても、私の美奈への気持ちは何も変わっていない。

恋の話なんてしてこなかったが、私たちはずっと一緒だったじゃない。

「なんでこうなったんだろ……」

仲直りできなかったことが悔しい。

同じように、また一緒にいたいと思ってもらえないことが悲しい。

本人に言えず、こんなところで言いたい言葉を口にするのが、情けない。

色んな感情が溢れ出て、また涙が込み上げてくる。

泣かないようこらえていたら、

「“だけ”でいいじゃん」

黙って聞いていた彼が、ぽつりとそう言った。

「前にも言ったけどさ、自分が親友と思ってるからって、相手にもそう思わせる必要なんてないし。相手がそう思ってないから、自分も思わないようにしなくちゃいけないってこともない」

前にもと言われて思い出す、あの日の放課後。

“水城は、相手が“親友”と思わなきゃ“親友”をやれないわけ?”

あのとき、そう言われて納得したはずだったけれど、私はまた美奈に同じ気持ちを求めていた。
< 124 / 247 >

この作品をシェア

pagetop