別れさせ屋に依頼をした私の結末
「マツヤマにとって水城は親友じゃなくても、水城にとってマツヤマは親友。……それでよくない?」

この前と違って、キングの口ぶりは優しくない。

何度も言わせるなと言うかのように呆れた表情をしている。

でも、その言葉はつらかった気持ちを払拭してくれて、このままでいいと教えてくれている。これからも、美奈のことを友達と思っていてもいいのだ、と。

「うん」

気持ちが落ち着いて、素直にうなずくと、キングは図書室に入るのをやめ、腕を組みながらドアにもたれる。

「ちょっと意外だったな」

「……え?」

なんの話をしているのかわからなくて、聞き返すと、

「もっとぐらつくのを想像してたからさ」

キングはそう言って、私の顔をまじまじと見つめてくる。

「“ぐらつく”?」

言葉の意味を理解できていない私は、まばたきが増えていた。

その反応の何がおかしいのだろう。

キングはフッと笑みをこぼす。
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