別れさせ屋に依頼をした私の結末
ぐらついていたら、その姿を見て、キングはどう思うの?

「“どうしたら”って、オカガキのこと?」

「……う、うん」

うなずいたけれど、別に悩んではいなかった。

私は、この質問でキングがどう反応するのかを見てみたいだけ。

少しくらいは複雑そうにしてくれるんじゃないかって期待していたんだけれど、

「それ、俺に聞くこと?」

キングの表情は面倒くさそうだった。心底、どうでもよさそうで。

「……。そうだね、ごめん」

何を期待していたんだろう、私は。

毎日キスをされていると、勘違いしそうになる。少しは私のことを、って……。

落ち込んでしまったことが悟られないよう、よそ見をしながら、軽く作ったこぶしで顔の下半分を隠す。

曲げた人差し指の第二関節で、鼻先をこすって、平然を装っていると、

「わかりやすいね、水城って」

キングはそう言って、手首を掴んでくる。

顔を見ると、その口元は微笑んでいた。
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