別れさせ屋に依頼をした私の結末
――昨夜の岡垣くんとのやり取りを教えると、美奈は苦しそうに表情をゆがめる。

「それって、やっぱり私のせいだよ。私がふたりの邪魔をしてなければ、大樹がふられることはなかった」

全て自分の行いが招いたことのように言う彼女。

そう返してくるだろうなと想定していた私は、用意しておいた言葉を口にする。

「“美奈ってネガティブだよね”」

昨日の誰かさんのように。

「“こうは考えないの? 私はマチから何も聞いてなかったんだから、って”」

「……っ!」

昨日のマネをされていると気づいたのだろう。

美奈は何か言いたげな顔で、私を見る。

「“大樹だって自分の意志で私と付き合ったんだから、こうなったのは私だけのせいじゃない”……そう思えばいいのに」

実際に、私は美奈に言ってなかった。

もしかすると美奈も好きなんじゃないか。そういうふうに思うこともあったから、言わないようにしていたんだ。

もし、あのとき、私のほうが先に岡垣くんと付き合っていたら、同じように、美奈の気持ちには気づいていないふりをして、過ごしていたのかもしれない。

そう考えると、美奈のことを責めるなんてできないよ。
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