別れさせ屋に依頼をした私の結末
言葉を詰まらせていると、美奈はため息をつき、肩を掴む手で私の髪を後ろへと流す。

「こんなものまでつけられちゃってさぁ……」

見られているのは、絆創膏を貼った首。

「……美奈の言うこともわかるんだけど、悪い人じゃないんだよ」

美奈は私のことを心配しているのだと思う。

気持ちはわかる。逆の立場だったら、私だって同じように言っただろう。

でも、キングが優しい人だってことはわかってほしい。

「危ない目にあったときも、真っ先に私を守ることを考えてくれていたし……」

「“危ない目”って?」

「えっとね、前に、彼に恨みを持ってる人たちが学校に来たんだけど……」

「マチ、それ守られてないよ。巻き込まれてる」

「や、そうなんだけどさ……」

いいところを伝えたいのに、うまく言えない。

「あの人、見た目からしてチャラいもんね」

美奈は目くじらを立てて、しかめっ面。

言ってることが間違っていないだけに何も返せずにいると、彼女は黙り込む私に目を見つめ、

「そんなに好きなの?」

と、ため息まじりに聞いてくる。
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