別れさせ屋に依頼をした私の結末
5分ほど経つと、ふたりは席を離れ、図書室のドアへと歩いていく。

ドア際でも話をしていたが、すぐ終わったようで、出ていくタイミングを見計らっていると――

「どうした?」

突然、声をかけられた。

「……あ、いることバレてた?」

ひょっこり顔を出すと、そばまで来ていた彼は、本棚にもたれて腕を組む。

「バレバレ。入ってくるときからわかってたよ」

「そうだよね……。キングはこっちのほうを向いてたもんね」

もしかしたら、気づかれているのかもしれない。そう思っていたので、声をかけられても驚きはしなかった。

「さっきの人って……?」

気になったから聞いてみたのだけれど、彼はその質問には答えず、

「なんの用?」

と、逆に問いかけてくる。
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