別れさせ屋に依頼をした私の結末
「……えっと」
ここへ向かっていた間、たずねる言葉をいくつか用意していたのだが、いざ本人を前にすると、すんなりと声にできない。
うつむくと、彼はフッと笑みをこぼした。
「今日の分、しにきたの?」
「ちがう!」
からかうような言葉には、すぐに返せた。
でも再び沈黙が流れると、キングは穏やかに微笑んだ。
「マツヤマと仲直りしたんだろ? 一緒に帰ったんじゃなかったの?」
「……うん」
もしかすると、うちの教室の前を通り過ぎるとき、彼もこちらを見ていたのかもしれない。
「その報告か?」
たずねられ、“いっそ、そういうことにしてしまおうか”とも考えた。
けれど、自分のことは自分がいちばんわかっている。
きっと、私は、このことがはっきりしないと、いつまでもキングの行動を怪しむはずだから……。
「本当に動いてくれてるの?」
胸の奥のモヤモヤした気持ちを言葉にする。
問いかけると、キングは「なんだ、そんなこと?」とつぶやいた。
そして、息をついてから、
「動いてるよ、毎日」
私をまっすぐ見つめ、真剣に返してくる。
ここへ向かっていた間、たずねる言葉をいくつか用意していたのだが、いざ本人を前にすると、すんなりと声にできない。
うつむくと、彼はフッと笑みをこぼした。
「今日の分、しにきたの?」
「ちがう!」
からかうような言葉には、すぐに返せた。
でも再び沈黙が流れると、キングは穏やかに微笑んだ。
「マツヤマと仲直りしたんだろ? 一緒に帰ったんじゃなかったの?」
「……うん」
もしかすると、うちの教室の前を通り過ぎるとき、彼もこちらを見ていたのかもしれない。
「その報告か?」
たずねられ、“いっそ、そういうことにしてしまおうか”とも考えた。
けれど、自分のことは自分がいちばんわかっている。
きっと、私は、このことがはっきりしないと、いつまでもキングの行動を怪しむはずだから……。
「本当に動いてくれてるの?」
胸の奥のモヤモヤした気持ちを言葉にする。
問いかけると、キングは「なんだ、そんなこと?」とつぶやいた。
そして、息をついてから、
「動いてるよ、毎日」
私をまっすぐ見つめ、真剣に返してくる。