別れさせ屋に依頼をした私の結末
「あの……キングさん?」
「はいはい~?」
さっきから思っていたけれど、この人、口ぶりがずっと軽い。
ターゲットの名前を聞いてきたときは少し怖かったけれど、トランプのカードを手にしてからはずっと軽いノリだ。
まるで、依頼すること自体がお遊びだと言われているみたい。
「……私、真剣なんです」
理由も話せていないから、わかってはもらえないかもしれないけれど、こんなゲーム感覚で事を進められたくない。
「依頼の連絡をするまで、ずっと悩んでいたし……連絡をするのだって勇気を出してっ」
真面目に聞いてもらいたかった。
どうしてこんな依頼をするのか、全て話すつもりでここへ来たのに。
「真剣ね」
カードを触っていた手がぴたりと止まる。
やっと真面目に話を聞いてくれる気になってくれたのだなと安心していたら、
「わかった。そんなに言うならもう1枚増やしてあげよう」
彼は使わない予定のカードの束を手に取って、再度、扇子のように広げてから中間の1枚を引き抜く。