別れさせ屋に依頼をした私の結末
並木は、ゆっくり指を動かし、その後のやり取りを画面に表示させた。

【ケンカしたの? 俺、水城と話す機会ってそんなにないから、こじれる前にキングから連絡した方がいいと思う】

当時、美奈と寺尾は休憩時間を一緒に過ごしていなかった。

キングに頼まれたとき、私と接点がない並木はきっと困っていたはずだ。

並木の返事に続く、キングの言葉を見るのが怖い。

また落ち込むことになる気がして、並木が指を動かす間、私はごくりとつばを飲む。

【傷つけるとわかってて言ったから。別れさせ屋なんかと関わればろくなことにならないし、俺から連絡することはないかな】

それは、あの日のキングの本音。

“チョロ過ぎて引くわ”

“簡単な女”

彼はわざと、その言葉を選んで口にしていた。

「……で、俺もこう返したんだけど、そっからはもう返事がなくて。既読はついてるけど……」

並木は最後に送った文面を見せてくる。

【水城のこと大事に思ってるんなら、ちゃんと話し合った方がいいと思う】

キングと私がいい感じの関係だったと勘違いしている並木の言葉。
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