別れさせ屋に依頼をした私の結末
そばへ行くと、彼は私から目をそらして、もう一度、外を見る。

たった2週間離れていただけなのに、その横顔もなんだか懐かしくて。

静かに見つめていたら、彼は外を眺めたまま「何?」と声をかけてきた。

「……手伝わせてほしいの、別れさせ屋の仕事」

キングと繋がり続けるための、唯一の方法。

何も接点がなく、恋愛感情も抱いてもらえなかった私には、もうこの関係しか残っていない。

唐突な発言に驚いたのだろう。キングは、ひじをついていた腕から顔を浮かせた。

けれど、彼はすぐに体勢を戻す。

「あんましつこいと、ひどい目にあわせるよ?」

冷めた口ぶり。

もうあの優しい瞳を見ることはできないのかもしれない。

でも、

「……できないよ、キングは」

並木から見せてもらったDMの画面を思い出し、私は強気な言葉を口にする。
< 176 / 247 >

この作品をシェア

pagetop