別れさせ屋に依頼をした私の結末
なかなか集中出来ずにいた私の心の声は、いつしか、自分にではなく、神様に向けたものになっていた。
──お願いです。今だけは外したくないんです。この先の運、全て使ってもいいです。
祈るようにして唱えた後、そっとまぶたを開く。
そうして、最初に目についた1枚を伏せたまま、キングの方へ寄せた。
彼は黙ったままそれを受け取り、静かに裏を確認する。
「……」
「……何だった?」
表情からは何も読み取れなくて、しびれを切らし問いかけると、彼は手にしているカードをそっとテーブルに置いた。
「……これ」
確認した私は目を丸くする。
引いたのは、あの時と同じハートのAだった。
こんな偶然があるのかと驚きつつも、ジョーカーを引かなかったことにホッとしていたら、彼は置いたままの5枚をまとめ、私のそばに置き直した。
「……何」
「見てみ」
言われて、それらも手にした私は、
「…………え」
裏を見て絶句する。
──お願いです。今だけは外したくないんです。この先の運、全て使ってもいいです。
祈るようにして唱えた後、そっとまぶたを開く。
そうして、最初に目についた1枚を伏せたまま、キングの方へ寄せた。
彼は黙ったままそれを受け取り、静かに裏を確認する。
「……」
「……何だった?」
表情からは何も読み取れなくて、しびれを切らし問いかけると、彼は手にしているカードをそっとテーブルに置いた。
「……これ」
確認した私は目を丸くする。
引いたのは、あの時と同じハートのAだった。
こんな偶然があるのかと驚きつつも、ジョーカーを引かなかったことにホッとしていたら、彼は置いたままの5枚をまとめ、私のそばに置き直した。
「……何」
「見てみ」
言われて、それらも手にした私は、
「…………え」
裏を見て絶句する。