別れさせ屋に依頼をした私の結末
「真剣だって言うから、普通のを1枚混ぜてやったら、見事に引き当てるし。……今回も、当てようとしてたはずなのに、引き当てた」

フッと笑みをこぼす彼。

もう見ることが出来ないと思っていた笑顔に、胸がぎゅっと締め付けられる。

「……なんで混ぜたの?」

こんなの、期待しちゃう。

「だから、真剣だって……」

「違う! 今回の話!」

問い詰めると、彼は笑うのをやめ、まっすぐ私を見つめた。

「だって、諦めさせたいんでしょ? 混ぜる必要なんてなかったじゃん」

「……そうだね」

聞いてるのに、彼はうなずくだけ。

「もう諦めないよ? だって引いたもん、ハートのA!」

「……うん」

返される言葉があっさりしすぎていて、うんと言われても、全然安心できなくて。

「なんで混ぜたのか言ってよ!」

欲しがると、彼は「泣くなよ」とつぶやき、喉を鳴らして笑った。
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