別れさせ屋に依頼をした私の結末

夏休みに入ると、大樹は毎日バレー部の練習で忙しくしていた。でも、事前に早く終わるとわかっていた日は、きちんと教えてくれている。

ある休日の午後、部活帰りの大樹とファミレスで涼んでいると、アヤちゃんから待ち合わせ場所についての連絡がきた。

「そういえば、言い忘れてたんだけど、明後日の夜、縁日に行かない? 学校の近くであるんだけど」

メッセージ画面を開いたまま問いかけると、大樹は考えることなく、うんとうなずく。

「今回はさ、ふたりじゃなく4人で。ダブルデートしよーって誘われてたんだよね。ちょっと待ってね……」

面識のない相手と行動することに気まずさを感じないよう、この前もらったアヤちゃんたちカップルの写真を、過去のメッセージから探す。

この子たちと、と言いながら見せるつもりだった。だけど……。

「あ、あった。この子た……」

見つけた写真を広げ、スマートフォンのディスプレイを大樹に向けた私は、大樹の表情を見て言葉を失った。
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