別れさせ屋に依頼をした私の結末
Side 01 ♡ マツヤマミナ ②
2学期を迎えてからの、ある日の放課後。
「帰んねぇの?」
誰もいない静かな教室でスマートフォンを触っていたら、突然声をかけられた。
顔を覗き込んできたのは、クラスメイトの寺尾(てらお)。人当たりがよくて、誰とでもすぐに仲良くなれてしまう、クラスの人気者。
「うん。友だちを待ってて」
「水城?」
「そう。靴はまだ学校にあるんだけどね~。一体、どこにいるんだか」
今朝、マチは「放課後は用事があるから」と、別々で帰りたがっていた。
でも、私の委員会がある日、マチはいつも待ってくれていたから、今日は私も待つつもりでいるんだけれど、連絡してもメッセージには既読すらつかない。
小さくため息をつくと、寺尾は前の席に腰を下ろす。
「前に教えたゲーム、もうやった?」
「あー、一応アカウントは作ったんだけどね。なんだか難しそうで、やってない」
最近、寺尾と話すことが増えている。
私が前にやったことがあったゲームの話をしたら、寺尾はそれをずっとやってるみたいで、その話で盛り上がり、一気に仲良くなった。
「やり方を覚えたら簡単だよ。ちょうどいいから今教える!」
「え、帰らないの?」
「ひとりで待つのって暇じゃん? 水城が来るまで遊ぼーぜ」
話すようになって、寺尾がみんなから好かれる理由がわかった気がする。
さりげなく優しいんだよね。
「帰んねぇの?」
誰もいない静かな教室でスマートフォンを触っていたら、突然声をかけられた。
顔を覗き込んできたのは、クラスメイトの寺尾(てらお)。人当たりがよくて、誰とでもすぐに仲良くなれてしまう、クラスの人気者。
「うん。友だちを待ってて」
「水城?」
「そう。靴はまだ学校にあるんだけどね~。一体、どこにいるんだか」
今朝、マチは「放課後は用事があるから」と、別々で帰りたがっていた。
でも、私の委員会がある日、マチはいつも待ってくれていたから、今日は私も待つつもりでいるんだけれど、連絡してもメッセージには既読すらつかない。
小さくため息をつくと、寺尾は前の席に腰を下ろす。
「前に教えたゲーム、もうやった?」
「あー、一応アカウントは作ったんだけどね。なんだか難しそうで、やってない」
最近、寺尾と話すことが増えている。
私が前にやったことがあったゲームの話をしたら、寺尾はそれをずっとやってるみたいで、その話で盛り上がり、一気に仲良くなった。
「やり方を覚えたら簡単だよ。ちょうどいいから今教える!」
「え、帰らないの?」
「ひとりで待つのって暇じゃん? 水城が来るまで遊ぼーぜ」
話すようになって、寺尾がみんなから好かれる理由がわかった気がする。
さりげなく優しいんだよね。