別れさせ屋に依頼をした私の結末
「水城から?」

寺尾が首を傾げてくる。

「あ、うん。なんか遅くなるらしいから、もう帰ろうかなって」

「そうなんだ? じゃあ俺らと一緒に帰ろ」

「……うん」

一緒にと言われて、うなずくまでに少しだけ迷いが出た。帰るところをマチに見られてしまったら、と考えたからだ。

マチは人見知りをするタイプで、女子の友だちは少ないし、男子のことも苦手にしている。

私が寺尾たちと仲良くしていると、彼女はそばへ来ようともしないし、不満げな表情で見つめてくることがあった。

きっと、一緒に帰ったことを知れば、いい顔はされないだろう。

「水城ってゲームとかしねぇのかな?」

「え?」

「するタイプならさ、一緒に遊んだほうが楽しいじゃん? 今度は4人で遊ぼーぜ」

「っ、する! マチもゲームするよ!」

寺尾のオープンな性格には、時々驚かされる。

初めて私に声をかけてきたときも、その口ぶりがあまりにも自然で、ビックリしたっけ。

「友達紹介とかでゲームのURLを送ったら、絶対に登録してくれるし!」

「そうなんだ? じゃあ、このゲームにも誘っといてよ!」

「わかった!」
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