別れさせ屋に依頼をした私の結末
マチのことを気にかけてくれたことが、嬉しかった。

人見知りが強い彼女は、相手に慣れるまでの時間がとても長い。

慣れてない人から話しかけられると黙っちゃうから、相手もそれを苦手に感じてしまい、だんだんと声をかけなくなっていく。

クラスの女子たちの多くは、いつからか、私にだけ話しかけるようになっていた。

だから、私とマチがふたりでいることを考え、4人でと提案してくれるのは凄く嬉しい。

……そう思っていたんだけれど。


翌朝、届いたメッセージは「おはよう」のスタンプだけだった。

昨晩送っておいたゲームへの招待は、どうやら開いていないらしい。

そして、寺尾たちと一緒に、登校したばかりの彼女の元へ行き、ゲームの話をしてみたけれど。

「……トイレ」

マチは寺尾のことをスルーして、そばから離れていく。

「ご、ごめんね。マチ、人見知りをするタイプでさ……」

「そうなんだ? なら、もう少し仲良くなってからがいいかもなー。ゲームに誘うのは!」

マチから冷たくされても、寺尾のほうは気にしていないみたいでホッとする。

これから仲良くなろうとする言葉も嬉しい。

「松山と水城がやってたゲームってどれ? 俺らもそれやれば、4人で遊べるかもな」

「そうだね! えっとね、これなんだけどー」
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