別れさせ屋に依頼をした私の結末
その数日後、大樹からメッセージが届いた。

【明日からの帰りどうする?】

テスト期間の放課後は、部活も休み。

これまでは、その時期が楽しみで仕方なかった。勉強もあるから寄り道なんてできないけれど、一緒に帰れることが嬉しくて。

大樹も、私が楽しみにしていることをわかっていたから、聞いてくれたのだと思う。

でも……。

“水城! ポニーテール似合ってる!”

私との不仲が、夏休みからずっと続いているというのに、マチにそんな言葉をかけていた。

そのことにまだイライラしている自分。

どうするか悩んだ結果、私は、

【今回は別々で帰ろう】

この一文を「ごめんね」のスタンプと一緒に送った。

すぐに既読がついて、「了解」のお辞儀をしたクマのスタンプが返ってくる。

「……痛くもかゆくもなさそう」

断ったのは自分のほうなのに、なんだか断られた気分だ。

大樹は私とのことをどうするつもりなんだろう。……私は、どうしたいんだろう。

別れたくはない。でも、仲直りしたって、あの不安はなくならない。

このままじゃダメになるだけだとわかっているけれど、また平気なフリをして、あのふたりを見るのは嫌なんだ。
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