別れさせ屋に依頼をした私の結末
ここ数日のマチを見ていて、寺尾たちと仲良くなるのは難しいのかなと諦めかけていた。

きっと、誘ってもいい顔はされないはず。

ボスを討伐して、スマートフォンから手を離した私。

小さくため息をついていると、寺尾と顔を見合せていた並木が、隣の空いてる席から椅子を持ってきて、私に向かう体勢で座った。

“前にさ、松山……言ってたじゃん。松山の彼氏と水城は多分両思いなんだって”

“……うん”

マチがポニーテールをしていた日、彼氏が教室の前にいるのに近づこうとしなかった私を、ふたりは変に思ったみたいだった。

ケンカでもしているのかと聞かれ、簡単に、自分たちのことを説明した。

1年のとき、ふたりは多分両思いだったということと、わかっていてふたりの仲を引き裂いたということ。

そして、多分ふたりは今でもお互いを意識しているということも。

“でも、それってさ、多分の話じゃん?”

並木は言う。本人からちゃんと聞いたわけじゃないなら、松山が勝手にそう思ってるだけなのかもしれないよ、と。
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