別れさせ屋に依頼をした私の結末
やっぱりダメだったか……。

「ごめん」

ふたりに謝ると、寺尾はすぐ納得してくれて「オッケーオッケー」と微笑みかけてくる。

「今日はマチとふたりで帰る!」

これ以上、苦手にしている男子たちとの交流を押しつけるのはやめよう。そう思って、この後の予定をキャンセル。

「ごめんね、待ってもらったんだけど……」

「気にすんな、また今度!」

「ごめんね、並木も」

「あ……うん、大丈夫だよ」

寺尾は明るく振る舞ってくれるが、並木の返事はぎこちない。

マチからきつく当たられたのかもしれない。

並木のこともフォローをしたいけれど、今はマチを優先しなきゃ。そう判断して、自分のカバンを取りに行こうと教室に踏み出したのだけれど。

「“今度”って言ってるけど」

私を呼び止めるかのように、マチが唇を開く。

振り向くと、彼女は厳しい目つきで私を見つめていた。

「美奈……遊びに行くこと岡垣くんは知ってるの?」

「……っ」

突然、大樹の名前を口にされ、胸の奥がズキッと痛む。
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