別れさせ屋に依頼をした私の結末
「う、うん……」

理解したふりをしたけれど、正直、何が言いたいのかよくわからない。

「だから……」

寺尾はまだ続けようとするが、

「あー、はいはい。わかったわかった」

これ以上は聞いていられないというかのような口ぶりで、並木が止めに入る。

「そういう、ことだから」

「……うん」

そういうことってどういうこと?

“オレオレ”言われすぎて、なんだか頭が混乱する。

その話を無理やり終わらせても、寺尾は一点を見つめ、黙ってしまうし。

私も、そんな彼にかける言葉がなくて、気まずくて並木のほうを見てしまう。

並木はめちゃくちゃシラケた顔で、寺尾を見ていて……。

場に、変な空気が漂っていた。

「悪ぃ、松山。俺、足がしびれちゃってさ」

「ん?」

「カフェオレ、買ってきてくんない?」

急に、財布から出した小銭を手渡してくる並木。

受け取った私は、「わかった」と言いながら立ち上がり、一度だけ寺尾を見てから、買いに出る。
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