別れさせ屋に依頼をした私の結末
「でも、昨日……松山がぶっちゃけたじゃん」

「……あー、ウソついた話?」

「そー。あれ聞いて……。松山はさ、自分が悪いって言ったけど……。まー、悪いっちゃ悪いんだけどさ。男の俺からすると、岡垣に腹が立つっつーか」

「……ん。それは俺も思った」

「だろ? 付き合ったんなら大事にしろよって思った。……水城が好きなら、さっさと振ってやれよって」

「でも……。松山、岡垣を避けてるって言ってたじゃん」

「だから! そーじゃなくてさ、避けさせるくらいに追い込んでるわけじゃん。……俺は、そういうの腹立つんだよ」

「……だからって、さっきの“オレがオレが”は違うだろ。タイミング考えろよ」

「わかってるよ。やっちまったなーって反省はしてる」

ふたりの会話が胸に突き刺さる。

これ以上、盗み聞きなんてできなくて、私はそっと、音を立てないようにしてドアを閉めた。

階段をおりて自販機がある場所へ向かっていると、ポケットの中がブルブル震える。

スマートフォンを取り出して、ディスプレイを見ると、1件のメッセージが届いていた。
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