別れさせ屋に依頼をした私の結末
「その人は……?」

大樹の声が、かすかに震えている。

さっきまで普通に話していた彼の小さな動揺も感じ取った私は、問題の原点を突きつけられ、目を伏せた。

すると、突然、

「“ミナ”って、言ってた親友の子?」

マチの背後にいた金髪の男子が、ズカズカと歩み寄ってくる。

目の前にまでくると、その人は遠慮なく、私の手を握った。

「はじめまして~。ミナちゃんの話はよく聞いてたよ」

ブンブンと縦に振られる腕。

「え、あ……」

「ああ、ごめんね! ずっと会ってみたかったからさ!」

空気を読まない行動に戸惑うと、金髪の彼は私の手を放しながらも、明るく微笑みかけてくる。

「……」

もう握られないよう、私は手を後ろに隠しながら、まじまじとその容姿を見る。

見かけたことがない人。振る舞いからして年下っぽくはないから、3年かな。

それにしても、こんなかっこいい人、うちの学校にいたっけ?

まるでファッション雑誌から飛び出してきたかのような長身と、整った容姿だ。

そして……。

「で、キミがミナちゃんの彼氏?」

「あ……はい」

口調がチャラい。

向かい合って会話する大樹と金髪の彼は、正反対と言ってもいいほど対象的に感じた。
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