別れさせ屋に依頼をした私の結末
……マチにこんな人がいたなんて。少し前まで一緒にいたのに、そんな話聞いたことがない。

改めて、マチとの間には壁があることを実感した。

「も、もういいからっ」

マチは、金髪の彼が私たちに話しかけるのを嫌がっているみたい。

ストップをかけている彼女を静かに見つめていると、金髪の彼からの視線を感じる。

目を合わせると、相手は意味深に、口の両端を上げて微笑んできた。

「……」

マチはこの人に私の話をしていたみたいだけれど、一体、どんな話をしていたのかな。

なんだか、今の私たちは不仲だってことも知っているかのような表情だ。

「見られちゃったと思うんだけど、この通り、俺たち今いい感じなんだわ。だから、今度4人で遊びにいこーね!」

マチから引っ張られ、校舎の外へと歩き出した金髪の彼は、彼女の頭の上に手を置いて、私たちに声をかけてくる。

……親しげなふたり。

マチは男子自体を苦手に思っていたはずなのに、あんなふうに振る舞うなんて……。

チャラくて遊んでそうに見える人だけど、この人はマチの懐にうまく入れたのだろう。

知らなかった彼女の一面に、私は少し動揺していた。

……でも。
< 241 / 247 >

この作品をシェア

pagetop