別れさせ屋に依頼をした私の結末
それから2日経った日の放課後、私は校内の図書室へ足を踏み入れていた。
この高校は4階建ての校舎が2棟あって、中庭を囲うようにL字で建てられている。
私たち2年生の教室は北館の3階で、図書室は西館の3階。同じ階でも、2棟をつなぐ廊下は1階にしかないので結構遠い。
1階には食堂、2階から上の階は音楽室などの各実習室があるため、日常生活で西館を利用する機会はとても多いけれど、図書室は授業で使う機会もないので、本好きな生徒じゃないと縁がない場所だ。
「すご……」
3階のほとんどが図書室になっているから、広いことは知っていたけれど、中を見て本棚の多さに圧倒された。
窓際は6人がけの長テーブルがズラリと並べられていて、図書委員が待機している貸し出しカウンターのそばにも、パソコンを置いた丸テーブルが数卓。
壁全面が木目調だからか、温かみがある空間に思えて居心地はとてもよさそうだが、室内に生徒は数えられるほどしかいない。
自分も訪れたのは今が初めてだというのに、利用者が少ないことを残念に思った。