別れさせ屋に依頼をした私の結末
一度こちらから連絡してみようか。急かすみたいになるけれど、十分待った方だと思うし。

しびれを切らした私は、DMを開いてK宛のメッセージ欄をタップする。依頼料のことを尋ねるみたいにして、現状どうなっているのか聞こうとしていた。

そんなときだった。

「水城」

自分の席でスマートフォンに夢中だった私を覆った人影。

顔を上げると、そばにはクラスメイトの男子が立っていた。

「……並木くん」

並木輝元(なみきてるもと)。いつも寺尾といて、最近美奈とも仲がいい男子だ。

「あ、ごめんね、邪魔して」

DMの画面を見られないよう、とっさにスマートフォンを裏返しにして伏せると、並木は慌てて謝ってきた。

「……何?」

まともに話したことがないのに話しかけてくるなんて、内容には美奈が関わっている気がした。

これまでに何度か、寺尾からも声をかけられているけれど、私はうなずくか無視するかの反応しかしてこなかった。

その時の様子も見ていたはずだし、今もきつい口ぶりで尋ねているから、話しづらさがあるのだと思う。並木はぽりぽりと首をかいて、苦笑いを浮かべている。
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