別れさせ屋に依頼をした私の結末
「生徒会です。発注書籍の確認をいたしますので、図書委員は必要書類を持って、13時までに生徒会室までお越しください。繰り返します……」

校内放送で流れる女生徒の声。このタイミングで「図書」というワードが耳に入るなんて……。

頭の中に浮んだキングの姿。

依頼したはずなのに、どうして何も変わらないんだろう。状況は以前よりも悪くなっているように思えてしまう。

まだ引き留めようとする並木を無視して、教室を出ようとする。

その時ちょうど、美奈が職員室から戻ってきた。

廊下で会ったのだろう。そばには寺尾がいる。

「あ、マチ! 今日さ……」

「行かない」

誘ってくることがわかっていたから、声をさえぎって先に断った。

美奈は寺尾と顔を見合わせ、困ったと言うかのような表情で、小さく「ごめん」と謝っている。

寺尾は明るく「オッケーオッケー」とうなずいているが、そのやり取りの様子も余計に腹が立った。

「今日はマチとふたりで帰る! ごめんね、待ってもらったんだけど……」

「気にすんな、また今度!」

「ごめんね、並木も」

「あ……うん、大丈夫だよ」
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