別れさせ屋に依頼をした私の結末
「動くのはいいけどさ、先に聞いておきたいことがあるんだよね」

「“聞いておきたいこと”?」

テーブルにひじをつく彼に首を傾げると、彼は微笑んだまま言う。

「ターゲット、本当にあのふたりでいいの?」

笑ってはいるが、その瞳はとてもまっすぐで、まばたきすらしていない。

なんだか、この質問で、私の表情が変化するかどうかを確かめているみたいだ。

「……いいけど」

「本当に?」

「……なんで?」

何か言いたそう口ぶり。

はっきりと言ってくれないことを変に思っていると、

「君にとっては、マツヤマミナとオオガキタイキのほうがいいんじゃないの?」

と言葉を付け足された。

「……え」

その名前を出され、胸の奥が小さな波を打つ。
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