別れさせ屋に依頼をした私の結末
でも、これだけは言える……。

「状況が悪化してんなら、そのまま放っておけば? そのうち別れ……」

「別れてほしくない!」

誤解されたくなくて、声を張り上げた。

「私……別れてほしいなんて、これっぽっちも思ってない」

どうやって調べられたのかはわからないけれど、相良くんは何か誤解をしている。

確かに、私は岡垣くんを好きだった。

ふたりが付き合ったときはつらくて、ふたりが並んだところを見ているのも苦しかった。

でも今は……。

「たとえ、この先……美奈が岡垣くんと別れることになったとしても、私と岡垣くんがどうこうなるなんてことは絶対にない」

そんなことをしたら、彼女だった美奈と気まずい関係になる。

岡垣くんのことは好きだったけれど、私は美奈のことも大好き。だから、あの気持ちをなかったことにした。

“最近の美奈、ちょっと苦手”

美奈に告げた、さっきの言葉を振り返っていた。

嘘は言ってない。最近は彼女の行動に苛立つことが多いから。

でも、言ったとき、美奈はショックを受けた表情をしていた。
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