別れさせ屋に依頼をした私の結末

翌日の私は、日直の当番だった。

正直に言うと、忙しくて助かった。昨日のひとりで過ごす休憩時間は、とても長くて苦痛だったから。

ひとりでいるところが誰かの目に映ってしまうことを気にして、無駄にトイレへ行く必要もなかったし、黒板の文字を消して、日誌と向き合うことで時間を潰すことができたのだ。

――今日も、美奈は寺尾たちと過ごしていた。

休憩時間を迎えるたびに、私は彼女に目を向けていたけれど、向こうがこっちを見ることは一度もなかった。

彼女と一緒にいれたときは、ひとりになることがあってもひと目なんて気にしなかったのに。本当のひとりになると、誰ともいないことが急に恥ずかしくなる。

いつまでこんな日が続くのだろうか。

放課後を迎えた私は、小さくため息をつきながら、脱いだばかりの上履きを靴箱へ入れようとした。

ところが、

「何帰ろうとしてんの?」

入れる前に、靴箱の扉を閉められた。

背後から突然手が伸びてきたことに驚いて、振り向くと、そこには別れさせ屋の姿になっている彼。
< 72 / 247 >

この作品をシェア

pagetop