別れさせ屋に依頼をした私の結末
「タイミングぴったし」
突然、ボソッと小声で囁かれた。
「……え?」
なんのことかわからず、ちらりと横目でキングの顔を見る。
彼の目は私じゃなく、私の背後に向いていた。
その表情は、昨日のキスをした後のように意地悪なもので。
そっちに何かあるのだろうか。気になって見ようとすると――
「水城?」
聞き覚えのある声が後ろから聞こえてきた。
「……っ!」
驚いて、火照っていた顔の熱が一気に冷めていく。
キングは声をかけられたと同時に態勢を戻していた。
「……なんで」
そうたずねても、彼は微笑むだけで答えてくれない。
待たせるわけにもいかず、恐る恐る振り向くが、そこにいるのは――
「っ、美奈……」
岡垣くんだけじゃなかった。