別れさせ屋に依頼をした私の結末
「ちょっ……ちょっと!」

一体何をするつもりなのか。この後の行動が読めなくて不安になり、余計なことを言わないよう止めに入ろうとしたのだが、

「で、キミがミナちゃんの彼氏?」

「あ……はい」

キングは私の声を無視して、岡垣くんに話しかけにいく。

「背、でかいなー! ま、俺のがでかいけど。バレー部だっけ?」

「そうです……」

「顔もかっこいいねー! ま、俺のがかっこいいけど~!」

……最悪だ。

何を言い出すのかと思えば、自分の方が背も高くてかっこいいという発言をするなんて。

でも、この岡垣くんの様子……。

敬語で返事をしているし、何度も頭を下げているから、キングを3年生だと思っていそう。

それに、キングの話し方も勢いがあるし、ニコニコと笑っているから、岡垣くんは失礼な発言をされても気にしていなさそうだ。

それでも、私に対する美奈の気持ちを考えると、この状況は気まずすぎる。

「も、もういいからっ」

キングの腕を引っ張ると、彼は後ろへとよろめきながら私の隣に並び、ポンっと頭に手を置いてきた。

そして――
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