別れさせ屋に依頼をした私の結末
「……」
このままじゃだめだ。何とかしなきゃ。
そう思っても何もできていなかった自分。
できないようにしたのは自分だと思うから、罪悪感もあって。
「っ……」
私は意を決し、リュックを手放して椅子に腰かけた。
【遅くなるから帰っていいよ】
美奈にもメッセージを送る。
強い夕陽が差す窓際の席で、本も手にせずただ座るだけの私の隣を、静かに通り過ぎていく相良くん。
私は背筋を伸ばし、ただ前だけをまっすぐ見つめ、別れさせ屋が来るのを待つ。
――これは、安易にとった行動じゃない。悩んで決めたことだった。
別れさせ屋への依頼は、何もできなかった私の最後の切り札。