クールな君の甘さを知れば
好きだから
カーテンの隙間から差し込む朝日。
チュンチュンと鳴く小鳥のさえずりが、もう朝であるということを知らせてくれた。
「………………夢じゃない…よね。絶対」
ぼんやりとした意識の中で、誰に言うわけでもなく独り言ちる。
夢であって欲しいと何度も思い、その度に頬をつねっては現実なのだと思い知った。
…………今日、どんな顔して会えばいい?
昨日のなるちゃん激変事件から一晩が明けた次の日。
「っ、もー……頭ん中、なるちゃんでいっぱいじゃん私」
昨日のなるちゃんを思い出して、ぼふんっと布団に顔をうずめる。
何があったのかと言われたら、説明するのも恥ずかしいくらいのことが起きた。
*
「…もう、幼なじみやめたいんだけど。海琴を彼女にしたくてたまんない」
「か…………かの、じょ?」
「…これでもまだ伝わんない?海琴のことが好きだって言ってんの」
「っ…!!」
顔色一つ変えずに言ったなるちゃんに至近距離から見つめられて、顔がボンッと火を噴いた。
火傷したときみたいに頬が熱くなり、それは自分でもわかるほど。