クールな君の甘さを知れば
こうなると思ったから、もう少し黙ってようと思ってたんだけどな…。
「お、落ち着けって日下部。お前はその、九条先輩…だっけ?そいつのこと知ってたのかよ」
穂乃果ちゃんをなだめる長谷川くんだけど、私は会話に置いてけぼり。
「知ってるも何も、女子たちの間ではかなり人気の先輩だし…。海琴ちゃんと毎日登下校してるんだよ?」
「…知らなかった」
「私、いつかそういう日が来るんじゃないかなって思ってたけど…。まさか、知らないうちにそんなことになってるなんて…」
二人はお互いになにか思うところがあるようで、穂乃果ちゃんに至っては私の肩を掴んだまま俯いている。
まずい、このままだと穂乃果ちゃんが暴走してしまう。
「ほ、穂乃果ちゃ…」
なんとしてでもそれだけは止めなければ…!と思って問いかけたら、今度は穂乃果ちゃんが真剣な顔で一言。
「…海琴ちゃん、九条先輩と付き合うの?」
ダンプカーかな?ってくらいの勢いで突っ込んできた。
「っ!?つ、付き合っ…」
付き合う……?私と、なるちゃんが…??
「もう返事はしたんだよね?」
「ちょっ、ちょっとタイム…!!」