クールな君の甘さを知れば

こうなると思ったから、もう少し黙ってようと思ってたんだけどな…。



「お、落ち着けって日下部。お前はその、九条先輩…だっけ?そいつのこと知ってたのかよ」



穂乃果ちゃんをなだめる長谷川くんだけど、私は会話に置いてけぼり。



「知ってるも何も、女子たちの間ではかなり人気の先輩だし…。海琴ちゃんと毎日登下校してるんだよ?」



「…知らなかった」



「私、いつかそういう日が来るんじゃないかなって思ってたけど…。まさか、知らないうちにそんなことになってるなんて…」



二人はお互いになにか思うところがあるようで、穂乃果ちゃんに至っては私の肩を掴んだまま俯いている。



まずい、このままだと穂乃果ちゃんが暴走してしまう。



「ほ、穂乃果ちゃ…」



なんとしてでもそれだけは止めなければ…!と思って問いかけたら、今度は穂乃果ちゃんが真剣な顔で一言。



「…海琴ちゃん、九条先輩と付き合うの?」



ダンプカーかな?ってくらいの勢いで突っ込んできた。



「っ!?つ、付き合っ…」



付き合う……?私と、なるちゃんが…??



「もう返事はしたんだよね?」



「ちょっ、ちょっとタイム…!!」
< 37 / 77 >

この作品をシェア

pagetop