クールな君の甘さを知れば
「それでもし壊れたら、俺んとこ来ればいいよ。あいつに文句言ってやるから。好きなやつ泣かせてんじゃねーぞ、ってな」
ニカッと笑った彼の明るさが、今はとても眩しく映って仕方がない。
…なんか、あんなに悩んでたのがバカみたいに思えてきた。
長谷川くんのこういうところがモテるんだろうなって、ちょっと納得。
「…ありがとう長谷川くん。なんか勇気湧いてきたかも」
「なら、まぁいいけど…。あんまり考えすぎんなよ?」
「うん、そうする」
私が頷くと、長谷川くんもほっとしたように息をこぼした。
「…私、長谷川くんに推し変しちゃうかもしれない」
私たちの会話を見守っていた穂乃果ちゃん は、目をぱちぱちさせながら意味のわからないことを呟く。
「おしへん…?」
知らない単語だな…。
思わずオウム返ししたら、穂乃果ちゃんは長谷川くんの方に視線をやって答えた。
「推し変って言うより…推しカプ変の方が近いかなぁ。なんか、長谷川くんがいい人すぎてね…応援したくなっちゃう」
「???」
長谷川くんがいい人って言うのはわかるけど、その他の単語がイマイチ理解できない。