クールな君の甘さを知れば
おためし(仮)
────キーンコーンカーンコーン
SHRが終わった瞬間、放課後を告げるチャイムが鳴り響く。
…こんなに嬉しくない放課後は初めてかも。
みんなは嬉しそうに帰り支度を始めてるけど、私はとてもそんな気分にはなれない。
だって、これからなるちゃんに会わないといけないんだよ?
なるちゃんの告白を受け止めた上で、断らなきゃいけないんだよ…?
そんなの、いくらなんでも苦しすぎる。
でも、それはきっと私だけじゃなくて…。
「なるちゃんも一緒…のはず」
だから、私も頑張らなきゃいけないよね。
改めて決意を固めた後に、なんだか騒がしい廊下へと目線をやって…後悔した。
「っ!!」
バチッと視線が交差する。
一際高い高身長のなるちゃんと、思いっきり目が合ってしまった。
な、なんで昨日といい今日といい、私のクラスまで迎えに来るのなるちゃんのバカたれ!
って、そんなこと思ってる場合じゃない…!
今はとにかく、超絶人気を誇るなるちゃんをどう対処するべきか考えないと…!!
もうなるちゃんに見つかっちゃったのは仕方がないから、なるべく目立たずひっそり帰ることが目標。