クールな君の甘さを知れば
なるちゃんの辛辣なお言葉にガクッと項垂れかけたけど、すぐに今の状況を思い出す。
「と、とりあえず帰ろ!ここじゃなんだし!ね?」
ずっとここで話すつもり?とも付け加えると、なるちゃんは踵を返して。
「だな」
「じゃ、ないよ…!なにちゃっかり手繋いでるの!?」
なんとびっくり。
「虫除け」
「どういう意味!?」
サラッと自然に私の手を繋いできたのだ。
「いいからとっとと行くぞ。ここじゃ目立つ」
「誰のせいだとお思いで??」
目立つ要因は間違いなくなるちゃんなんだけどな、わかってるのかな。
色々言いたいのをグッと堪えて、ついでに手を繋がれたことに対する文句も我慢して、仕方なくなるちゃんの後を付いて行った。
校門を出て、いつもの通学路にたどり着いた頃にはもうクタクタ。
「つ…疲れた…」
四方八方から飛んでくる矢のごとく視線にはもううんざり。
それも全部なるちゃんのせいなんだけどね?
「運動不足じゃねぇの?」
とか言っちゃうところ。
「精神的に疲れたの!」
正直、どうかと思うよ?