クールな君の甘さを知れば

そりゃ、なるちゃんに比べたら体力ないけどさ。



私の気持ち、ちゃんとわかってる？



｢…海琴？｣



不安そうななるちゃんの声。



私が不機嫌になったことを瞬時に察するなんて、さすが幼なじみ。



でも、表面だけじゃなくて、私の心の中まで察して欲しい…とか思ったらわがままなのかなぁ。



｢ふん…なるちゃんなんて知らない｣



なるちゃんの告白に答えようと思ってたけど、もう知らない。



さっきまでずーっとなるちゃんのことを考えてて、授業中もそのことで頭がいっぱいになっちゃって。



どう返そうか悩んでたのに、なるちゃんは自分に人気があることを知りながら私の教室まで迎えに来た。



後で私が女子たちの反感を買って恨まれるかも…とか、考えないの？



｢…ごめん。海琴が嫌がるってわかって教室に行った｣



｢…手も繋いだじゃん｣



｢ごめん｣



なるちゃんの悲しそうな顔は、できれば見たくない。



私の心が狭いのかもしれない…けど、ちょっとは反省して欲しいというのが本音。



でも、こんなことでいちいち喧嘩してたら話なんて一向にできやしないから。