クールな君の甘さを知れば
「本気だったけど、これからはその上」
「上…!?」
って、なに!?
さっきから言われている意味がまったくもって理解不能。
理解しようと思ってはいるものの、わかりたくない自分もいる。
だって、これ以上なるちゃんが攻めてくるってことはもっとドキドキが増えちゃうってこと。
「っな、なるちゃん…?なんか近くないですか…?」
ほら!言ったそばから距離があからさまに近くなってるし…!
焦る私、笑うなるちゃん。
どこが面白いのかわかんないよ?
「ふっ、なんで敬語」
「違う違う、そこじゃなくて」
私が言ってるのは距離の問題なんだけどな…って、ん…?
そこで、ふと気がつく。
「っ!!」
いつの間にかなるちゃんの腕が腰に回されていて、もう逃げようがなくなっていた。
むり、ほんとにむりっ…!
言うまでもなく距離はぐっと縮まり、もう大パニック寸前。
「でも、嫌じゃないんだろ」
「っ…嫌、じゃないけど…」
「けど…なに?」
うまく回らない頭を必死に動かして、やっとの思いで口にしたけれど。