クールな君の甘さを知れば

それは…そうだね、うん。その通りだよね。



「…ごめんね、変なこと聞いちゃった」



「ふふっ、謝ることないのに。…でも、そっかぁ…長谷川くんになんて伝えよう…」



…長谷川くん??



「…?なんで長谷川くんが───」



出てくるの?と聞こうとしたところで。



「俺がどうしたって?」



「「長谷川くん…!」」



「二人してハモるなよ」



朝からキレッキレの長谷川くんが登場した。




「…で、俺に何か言いづらいことでもあんの?」



「えぇっと…うん、まぁ…」



席に着きながらそう言う長谷川くんに対して、穂乃果ちゃんの目がキョロキョロ泳ぐ。



穂乃果ちゃん、さっきから長谷川くんに遠慮してるけどどうしたんだろ。



なんかとっても気まずそう。



───キーンコーンカーンコーン



そんな微妙な空気が流れる中、タイミングが良いのか悪いのか予鈴が鳴った。



担任の先生が入ってきてお喋りは一旦中止。



穂乃果ちゃんが長谷川くんになにを遠慮しているのか、結局わからずじまいのまま午前中は過ぎていった。







長い長い四時間が過ぎ、みんな大好きお昼の時間がやってきた。



穂乃果ちゃんは図書委員の仕事があるらしくて、「ごめんね〜!」って謝りながら今教室を出ていったとこ。
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