クールな君の甘さを知れば
それは…そうだね、うん。その通りだよね。
「…ごめんね、変なこと聞いちゃった」
「ふふっ、謝ることないのに。…でも、そっかぁ…長谷川くんになんて伝えよう…」
…長谷川くん??
「…?なんで長谷川くんが───」
出てくるの?と聞こうとしたところで。
「俺がどうしたって?」
「「長谷川くん…!」」
「二人してハモるなよ」
朝からキレッキレの長谷川くんが登場した。
「…で、俺に何か言いづらいことでもあんの?」
「えぇっと…うん、まぁ…」
席に着きながらそう言う長谷川くんに対して、穂乃果ちゃんの目がキョロキョロ泳ぐ。
穂乃果ちゃん、さっきから長谷川くんに遠慮してるけどどうしたんだろ。
なんかとっても気まずそう。
───キーンコーンカーンコーン
そんな微妙な空気が流れる中、タイミングが良いのか悪いのか予鈴が鳴った。
担任の先生が入ってきてお喋りは一旦中止。
穂乃果ちゃんが長谷川くんになにを遠慮しているのか、結局わからずじまいのまま午前中は過ぎていった。
*
長い長い四時間が過ぎ、みんな大好きお昼の時間がやってきた。
穂乃果ちゃんは図書委員の仕事があるらしくて、「ごめんね〜!」って謝りながら今教室を出ていったとこ。