クールな君の甘さを知れば

「え、違うよ?」



私にこんな彩り豊かなお弁当が作れるわけないよね、普通に考えて。



「ってことはお母さん?料理上手いんだな」



お母さんもお弁当作ってる時間ないから、やっぱり首を横に振るしかない。



…不毛だね、この会話。



まどろっこしい会話はもう飽き飽きだよ。



「このお弁当はね、なるちゃん作なんだ」



だから事実をそのまま言ったんだけど、長谷川くんは信じられないみたいで。



「…マジ?」



口をぽかんと開けて目をパチパチ瞬かせている。



あ、ちょっと金魚っぽい。



そんなに驚く?ってくらいびっくりしてて、私からしたらちょっと面白いかも。



「うん。なるちゃん料理上手なの」



「へぇ…すげぇな」



「でしょ」



「なんで古賀が得意げなんだよ」



「あははっ」



それもそうだね。ついドヤ顔しちゃった。



「…あ」



なるちゃんの話題が上がったところで、ふと思い出したことがある。



なるちゃんとお付き合い(仮)をすることになったって長谷川くんにも報告しておいたほうが良いのかな…?



長谷川くんは「どうした?」って唐揚げ頬張りながら聞いてきた。
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