クールな君の甘さを知れば
ちょっと寂しい気もするけど、こればっかりはしょうがない。
「うん、大丈夫。穂乃果ちゃんが悩んだりしてないんならへーき」
「ごめんね…ありがとう」
穂乃果ちゃんは申し訳なさそうに目を伏せる。
「いつか…が来るかわからないけど、その時に話すね」
何をそんなに思い悩んでるの?なんて、もう聞かないよ。
「ふふっ、うん。楽しみにしとく」
「そんなに楽しい話じゃないんだけどなあ」
未だに「むむむ」って顔してる穂乃果ちゃんがおかしくって、よく分からないけど思わず笑っちゃった。
そんなこんなで課題を進めていくと、あっという間に時間が過ぎていった。
「もう夕方かぁ」
人気のない廊下を歩きながら、ぼんやり窓の外を眺める。
分からない問題につまずいてからどんどんペースダウンした私とは違い、穂乃果ちゃんは先へ先へと進んでもう終わったらしい。
「課題終わってよかった〜」
私の横を歩きながら、清々しい顔でぐんと背伸びをしている。
「…羨ましい。穂乃果ちゃんだけずるい」
何も私の前でそんなこと言わなくたっていいのに。
ひどいと思いません?