逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
 ウガーッ、グガーッ! 
 アーロンの部屋から派手ないびきが聞こえる。

 ワイトの部屋を用意しても、いつの間にかここの長椅子で寝ているのだ。
 到底人間のいびきとは思えない、苦り切って頭を抱えた。

 と、その爆音の合間に小さな音がした。コツコツと窓を叩く音だった。
「悪かったな、この部屋には怪獣がいるんだ」
 窓枠にいた伝書鳩を迎えた。

 足についた文を読む。

 そこには、
【例の洞窟の奥に別の洞窟有り。そこに八名のバッハス兵が潜伏。ただし彼らも負傷している模様。追ってまた連絡】

 とあった。

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