逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
「だがそんな老いを忘れているときがないか。そのときは昔の若い自分に戻っているんだ」
「分るよ、不思議な感覚だな、あれは」

「そうして現実に戻ったら?」
「受けるショックが大きいって訳だ。もうどうにもならんのだと悟ってね」
 
 二人が目を合わせた。
 また笑いが滲む。

 ・・と、
「そうだ、こういうのはないか」
「どういうのだ」

「若くなりたいと念じてピョンと跳ぶんだ。そしたら次の瞬間若返っているんだ」
 お前、とあきれて、
「お前は本当にアーロン・ハインツか、誰もがあがめる国軍の長の」

「いいじゃないか、ちょっと言ってみただけだ」
 照れたように頭を掻いている。

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