逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
衝撃の出来事 ‼
 アーロン邸が静まり返っていた。
 
 人払いした自室でワイトとアーロンが向かい合っている。
 それをシュテルツが見ていた。

 ワイトがアーロンの手を取った。互いの両手が合わさり力を込めてこようとする。

「な、何をするんだ」
 アーロンがあわてた。

 ワイトの白い体が徐々に銀色に輝いてくる。

 それと同時に繋いだ二人の両手がブルブルと震えはじめた。

 その振動が強くなる。
 ビリッビリッと鋭い音がひびく。

 銀色の輝きがアーロンに乗り移ってきた。

 二人の体が白金のように光りはじめる。

 アーロンの体を鋭い痛みが貫いた。
 苦痛の叫びをあげそうになる。
 歯を食いしばって耐えた、目がくらみそうだった。

 ワイトの顔が目に入った。
 彼も苦痛にまみれていた。

「いったい、なにを?」
 聞こうとした。

 だが不気味な不協和音が始まった。
 グワァン、グワァンと脳が破壊されそうな音だった。

 一定の周期を置いて繰り返される。

 と、そこで意識がぷつりと切れた。

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