逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
 その日のうちに軍事会議が開かれた。

「国境からこの王都に進軍して来るルートは二つある」
 アーロンは地図を示して状況を告げた。

「海岸沿いの街道と山越えの道だ。ご存じのように海岸線はなだらかだが距離がある。騎馬隊ならば三日で到達する計算だが」
「三日ですと?」

「しかし報告では集結している兵は現在五千、最終的には一万の大軍になるだろう。それだけの人員なら本体は徒歩だ。だとすれば遠回りの海岸線より山越えで来るはずだ。野営をしながらだと本体はおよそ八日で来ることになる」
「八日、ですか」

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