逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
ラクレス邸で
国境から二人の男がやって来たのは、その日の午後だった。
ラクレス隊の隊長のガイと、副隊長のセルビィという兵だ。
ガイはソフィーの前に来るとさっと臣下の礼をした。
「お父上のダン・ラクレス様が行方不明になっておりますこと、誠に申し訳なく思っております」
「いいえ。ガイ達が懸命に探してくれているのは聞いているわ。ありがとう」
「今日ここへ参りましたのは」
と息をついだ。言葉を選ぼうとして、
「ラクレス様が不在になられてから半月が経ちました。その期間を過ぎると、隊から代理の代表を立てる必要があるのです」
側にいたアーロンがうなずいた。
「隊の統率を執るためにも、王宮に報告を入れるにも代表者が必要だからね。そういう規則になっている」
ラクレス隊の隊長のガイと、副隊長のセルビィという兵だ。
ガイはソフィーの前に来るとさっと臣下の礼をした。
「お父上のダン・ラクレス様が行方不明になっておりますこと、誠に申し訳なく思っております」
「いいえ。ガイ達が懸命に探してくれているのは聞いているわ。ありがとう」
「今日ここへ参りましたのは」
と息をついだ。言葉を選ぼうとして、
「ラクレス様が不在になられてから半月が経ちました。その期間を過ぎると、隊から代理の代表を立てる必要があるのです」
側にいたアーロンがうなずいた。
「隊の統率を執るためにも、王宮に報告を入れるにも代表者が必要だからね。そういう規則になっている」